【魔物は自分の中にいる】
甲子園に出るようなチームでも思いもよらない試合展開になったり素晴らしい選手が信じられないミスをしてしまうことは甲子園を見ているとよくあります。
思うようなベストな力が出せずに負けてしまうチームもあります。
そういうとき甲子園には魔物が棲んでいるとよく言われます。
しかし、甲子園に限らず地区大会でもそのようなことが起こることがあります。練習や練習試合のときは普段の力を発揮できるのに大きな大会になるほど自分の実力を出せなくなっていきます。
そこで私はこのような言葉を見つけました。
「甲子園には、魔物なんて棲んでいない。もしも、棲んでいるとしたら、お前たちの心の中にいる」
これは横浜高校で監督を務めた甲子園をよく知る渡辺元智監督の言葉です。
本当は甲子園になんて魔物は棲んでいない、自分の心がそう思わせているだけということだと思います。
つまり、自分が弱気になるほどミスを起こしやすくなったり普段の力を発揮できなくなるということです。しかしそれはわかっていても甲子園や地区大会という大きな舞台ではなかなか気づきにくいのかもしれません。
そんな時にいいチームは周りをよく見ています。緊張してそうなチームメイトを見ては声をかけ助けてあげているのを見かけます。
私も高校時代よくコーチに言われたことがあります。「バスの中やアップの前はチームメイトと野球の話をしろ!」ということでした。
それは自分の中の弱気を人と話すことでなくしていこうという意図があったのかもしれません。
とにかく試合前は周りをよく見る、スタンドを見渡したりチームメイトに声をかけることをしてみることが魔物に食われないための方法だと思います。
自分の力を出せずに後悔するのは悲しいことです。ベストな状態で試合前に魔物を寄せ付けない心をつくることが重要なのです。